食品リサイクル工場見学 大田・生活者ネットワーク
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2006 年 7 月 6 日     カテゴリ:活動報告
食品リサイクル工場見学
〜プラスチックの混入している食品ごみからリサイクルする物は?!〜
大田区の城南島に展開しているリサイクル施設の集積地スーパーエコタウン。
 そのなかの、食品リサイクル施設に見学に行きました。

 食品リサイクル法により食品廃棄物の年間排出量100トン以上の事業者は、平成18年度末までに、排出量の20%の削減が義務付けられました。
 目標が達成されないなど、再生利用等への取り組みが不十分な場合は、企業名の公表や罰金などの罰則が適用される厳しい内容になっています。

 こうした背景の下、食品のリサイクルをするための施設が大田区の城南島に稼動を始めたため、見学に行きました。

 食品リサイクルには、肥料化・飼料化・エネルギー化などの方法がありますが、それぞれに、特徴があります。

 ●肥料化:塩分、油分がある食品は堆肥として向かないため、加工食品の堆肥化は難しい。
 ●飼料化:食品が分別されていること。腐敗していないこと。
 ●エネルギー化:食品の分別もある程度の混入は許されるがコストが高い

 今回、見学したのは、豚や鶏のえさとして再生する飼料化施設とバイオマス発電を行うエネルギー化施設です。

【飼料化施設】
 飼料化施設では、事業者から食品残渣をパッカー車で回収し、24時間稼動の施設に搬入します。施設は、食品残渣が10dになると稼動します。
 @パッカー車で搬入されたごみは、入れられているプラスチックの袋ごと破砕された後、廃食用油が混入されて60度で予備加熱されます。
 A次に@をほとんど真空の状態で60度から徐々に温度をあげ120度にまで加熱し水分を蒸発させます。
 B水分が蒸発した廃食品から油分を取り除きます。
 C更に油分を取り除くためプレスします。
 Dプレスされ固まった廃食品を砕き粉末状にします。
 E不純物を除去します。一定以下の大きさのものにするため、ふるいにかけると共に風でビニールなどを飛ばします。
 Fできあがった製品は配合飼料会社に売却されます

※見学を終えて特に気になったのは、私たちの口にする家畜のえさになる廃食品の状態でした。具体的には、腐敗の問題と、混入の問題です。
 腐敗については、腐っていないものを受け入れていると言う説明でしたが、受け入れ時点でたとえ腐っていなくても、回収、そして、設備稼動までの保管している間に腐敗してしまう可能性が無いとはいえません。実際に、食品の腐敗についてのチェックシステムは無く、受け入れ廃食品を保冷する設備も勿論ありません。
 施設には、臭気を取り除くための設備がありました。
 また、受け入れ食品は、大きなプラスチックのゴミ袋に入れられて回収され、それがそのまま設備に投入されます。
 施設の設置にかかわる大田区の都市計画審議会での審議の際には、油であげる前の段階で、風圧で混入物を飛ばすと言う説明をうけましたが、実際には、油であげたあとにその処理をしています。
 真空状態にすることで沸点を下げ水分を除去するわけですが、真空状態がプラスチックにどのように影響するのか大変気になるところです。
 油で揚げた後、ふるいにかけるとともに風でプラスチックをとばすということですが、最終的には、0.5〜1%混入するそうです。配合飼料の3〜5%にこの飼料がつかわれるので、0.005×0.03〜0.01×0.05%の混入になります。

 施設のフル稼働には遠い現状や、食品リサイクル法の削減割合のアップに伴い、受け入れごみが飼料化に適さない事業者(=例えば、コンビニやスーパーなどは、包装が多く適さないため、要請があっても受け入れないと施設の方から説明を受けました。)からの依頼などが有った場合にも、分別の守られた廃食品のみの受け入れと言う姿勢を守ることができるのかどうかは大変気になるところです。

 あなたは、このえさを食べた鶏や豚を食べたいと思いますか。
 店頭に並ぶ食肉のトレーサビリティー(製造履歴)は、まだ一部で確保されているのみで、ましてやえさやその成分まで私たちが購入時に知ることはできません。

 配合飼料会社では、コストの安いこの配合飼料原料を積極的に購入する姿勢だそうです。
 
  
【バイオエネルギー施設】
 @搬入された廃食品は、受け入れ段階で内容をチェックし、リサイクルに向かない食品は清掃工場へ持ち込まれます。
 A受け入れられた廃食品は破砕の後、選別機にかけられ、不適物が取り除かれます。
 Bメタン発酵が行われ、でてきたメタンガスを利用して発電をします。
 C電力の4割は施設の稼動のために利用され、残りの6割が売電されます。

 共に廃食品をリサイクルする施設ですが、飼料化施設は、分別のきちんとされている食品に適しており、バイオエネルギー化施設は、ある程度の混入は許容できることを売りにしています。

 処理費用は、清掃工場なら12.5円/`。飼料化施設なら23円/`。バイオエネルギーだと35円/`。
 法律で定められているからごみの20%は12.5円ではなくて、23円で処理しよう。分けるのが面倒だから35円払おうという図式も見え隠れします。

 私たちは、えさならとかベバイオエネルギーならなどとリサイクルの内容でみてきましたが、現場の認識は、廃棄物の処理を行っていて、たまたまその結果として有価物がでてきているというのが率直なところではないでしょうか。

 実際に持ち込まれているほとんど容器のようなごみを見ていると、暗澹たる気持ちになります。

 紙のリサイクルが進む中、ごみは、過去より燃えにくくなっています。
 なぜなら、食品系の水分を含むごみの割合が相対的にあがってきているからです。こうした中で、廃プラスチックの焼却ということが言われています。
 
 燃えにくくなったから、燃えやすくするためにプラスチックを混ぜて燃やそうと言うのは本当に経済性の観点から有効なのでしょうか。

 清掃工場で`12.5円で受け入れている食品ごみ。これが23円なら民間企業はえさにして採算性のある事業を行います。同様に35円なら電力を作ります。
 
 確かに、分別されずに出されるごみをみていると、ごみの問題は本当に難しいと感じます。
 しかし、京都議定書に参加し、循環型社会をめざしている私たちがとるべき方向は、やはりごみを減らすしくみをいかにに作るかであって、でてきたごみを処理することだけに腐心してはならないのではないでしょうか。

 プラスチックを焼却することは
@拡大生産者責任を曖昧にし、発生抑制につながらない。
A安全性での不安が解消されていない
B清掃工場の削減につながらず、効率的合理的な清掃事業運営にならない
などの点から、焼却する前に、その他プラスチックなど十分にリサイクルしなければならないと考えています。

 そして、プラスチックのリサイクルが進んだのちに、一般廃棄物の廃食品のリサイクルに着手することが大田ネットの願いです。 



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